保健師レター
現代社会におけるビタミン不足~vol.1 ビタミン知識編~
現代社会におけるビタミン不足
こんにちは。ローソン健康保険組合の保健師 高橋です。
猛暑が過ぎ去り、やっと10月になりましたね。
皆さんは秋と言えば何を思い浮かべますか。
食欲、芸術、スポーツ…風物詩がたくさん思い浮かぶのも秋の特徴です。
特に、秋になると涼しく過ごしやすくなるため、夏バテで低下していた食欲
が回復してきます。 そのため、秋は食欲が増したように感じるらしいで
す。現代は偏った食事からビタミン不足に陥る人が増えています。
秋の旬な食材を積極的に摂取し、ビタミン不足を補いましょう!
ただし、食べ過ぎには注意しましょう。
■現代におけるビタミン不足とは
飽食の時代に栄養が欠乏状態に陥るなんて想像もできませんが、一部のビタミンに関しては、潜在的に欠乏状態に陥っている人は少なくないです。
●ビタミンB1
現代において深刻なビタミン不足はまれではあります。しかしながら、最近、イオン飲料などを多飲する小児の重篤な脚気症状が報告されたことから、イオン飲料などの多量摂取におけるビタミンB1欠乏に対して注意喚起がなされました。江戸時代に流行した脚気が、現代ではまた違った意味で症状が確認されています。
ビタミンB1は糖質からのエネルギー産生に関わるビタミンです。激しい運動を行っている上、菓子類の過剰摂取や砂糖が多く含まれた清涼飲料水をがぶ飲みするような食生活を送っていると、結果的にビタミンB1欠乏が表れやすくなるのです。
●ビタミンC
体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというたんぱく質をつくるのに不可欠です。 これにより皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。 また、病気などいろいろなストレスへの抵抗力を強め、鉄の吸収を良くしてくれるのです。
新鮮な果物や野菜を十分に食べないと、ビタミンC欠乏症になることがあります。 疲労、筋力低下を感じ、易怒性(怒りっぽい)がみられます。 重度のビタミンC欠乏症は壊血病と呼ばれ、あざができ、歯ぐきや歯のトラブル、毛髪や皮膚の乾燥、貧血が起こります。
●ビタミンD
カルシウムの吸収を助けることで知られるビタミンDが慢性的に不足している人が増えています。ビタミンDは日光を浴びることにより体内で生成されるのですが、オフィスで働く人が多い現代では日光を浴びる機会が減っており、ビタミンDが不足状態になりやすいのです。ビタミンDが不足し欠乏状態になると、筋肉の衰えによる転倒や骨の軟化、変形などのリスクがあります。
ビタミンは普段は臓器などにストックされており、重要な臓器組織で優先的に利用されるので、少し不足しても即座に自覚症状を感じることはありません。ですが、欠乏が深刻化した時点で急激に症状が出ることがあります。
⇒vol.2では、ビタミン摂取のための、秋の食材活用編です。