保健師レター
睡眠と質のはなし
睡眠と質のはなし
こんにちは、ローソン健康保険組合の保健師髙橋です。
突然ですが、皆さん夜はよく眠れていますか?
睡眠は健康を維持するうえで必要不可欠な休養活動です。
睡眠の質・量、個人差はありますが、心身の健康に深く結びついています。
いま一度、自身の睡眠について振り返ってみましょう。
■睡眠習慣から起こる健康障害
睡眠時間が極端に短いと、肥満、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管疾患、認知症、うつ病などの発症リスク
が高まると言われています。
これは、慢性的な睡眠不足が日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下を引き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすとされているからです。
■適正な睡眠時間とは?
成人においては、おおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間と考えられ、1日の睡眠時間が少なくとも6時間以上確保できるように努めることが推奨されます。ただし、適正な睡眠時間には個人差があり、6時間未満でも睡眠が充足する人もいれば、8時間以上の睡眠時間を必要とする人もいます。
個人差(年齢や性別等)や日中の活動量に睡眠は影響されます。日中の眠気がなく、良好な覚醒状態が一つの目安になりますので、自分自身で必要な睡眠時間を探ってみてください。
■睡眠休養感
健康的な睡眠の取り方に関する指標として、「睡眠時間」に加えて「睡眠休養感」が重視されています。
大まかにいうと「朝、目が覚めたときに体が休まっているかどうかの直感的な自己評価」のことです。
以前から、睡眠には時間という「量」に加えて「質」もあるのではないかと考えられてきました。長時間眠っても十分寝た気がしないこともあれば、短時間でもスッキリと目が覚めることもあるように、個人差はあるものの睡眠時間や睡眠環境が大きく関係します。
■良質な睡眠のためにできること
①環境づくり(就寝前のリラックス)
・起床時に日光を浴び、日中はできるだけ日光を浴びると、体内時計が調節されて入眠しやすくなる。
・就寝前にはできるだけスマホやタブレット端末の光は避け、寝室は暗くする。
・就寝の約1~2時間前に入浴し身体を温めてから寝床に入ると入眠しやすい。
湿度にも気を配る。
・リラックスできる寝衣・寝具で眠ることが良い睡眠につながる。
②適度な運動
・日中の身体活動量・強度が、眠りの必要量や質に影響する。
*運動習慣がない人は、睡眠休養感(睡眠で休養がとれている感覚)が低いことがわかっている。
③食事
・しっかり朝食を摂り、就寝直前の夜食を控えると、体内時計が調整され睡眠・覚醒リズムが整う。
④嗜好品について
・カフェインの摂取量は1日400mg(コーヒーを700cc程度)を超えると、夜眠りにくくなる可能性がある。
・カフェインの夕方以降の摂取は、夜間の睡眠に影響しやすいので避ける。
・晩酌での深酒や、眠るためにお酒を飲むこと(寝酒)は、睡眠の質を悪化させる可能性がある。
・喫煙(紙巻きたばこ、加熱式たばこ等のニコチンを含むもの)は、睡眠の質を悪化させる可能性がある。
●やりがちな行動
①休日の寝だめ
→リズムが崩れます。
→就寝時間を1時間程度早める努力をして睡眠時間を確保しましょう!
②忙しくてどうしても睡眠時間を確保できない
→「水曜日と日曜日は1時間早めに寝る!」などのように週1〜2回だけでも睡眠を優先する日
を作りましょう!
→昼寝をしましょう!(12〜15時に5〜20分程度)
参考元:睡眠と生活習慣病との深い関係 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
https://www.mhlw.go.jp/content/001254003.pdf(健康づくりのための睡眠ガイド2023)
問い合わせ先:
ローソン健康保険組合 保健師 高橋裕未
03-5435-1960(代表)
o.kenpo.hokenshi@law001.lawson.co.jp