保健師レター
女性の体と健康~症状・疾患編~
女性の体と健康
~症状・疾患編~
こんにちは。ローソン健康保険組合の保健師 高橋です。
前回に引き続き、女性の体と健康についてお話しします。
今回は、女性特有の症状や疾患についてですが、日々の忙しい生活の中で少しの変化に気付くことは中々難しいものです。
しかし、知識があれば早期に気付く手助けになり、治療を選択するうえでも必要となるでしょう。
〈生理について〉
生理のメカニズム⇒https://www.seirino-mikata.jp/knowledge/how/
正常な月経
正常な月経は |
|
周期 |
25日~38日 |
出血期間 |
3日~7日 |
経血量 |
20~140ml(個人差有) |
月経の異常
周期 |
月経不順 |
月経周期が不規則で次の月経の予測がつかない |
頻発月経 |
月経周期が24日以内 |
|
稀発月経 |
月経周期が39日以上 |
|
無月経 |
3か月以上月経のない状態 |
|
出血期間 |
過長月経 |
1回の月経が8日以上続く |
過短月経 |
1回の月経が2日以内で終わる |
|
経血量 |
過少月経 |
経血の量が非常に少ない |
過多月経 |
経血の量が非常に多い |
|
不正出血 |
月経時期以外の出血 |
⇒月経痛や月経異常は、もしかしたら、病気が潜んでいるかもしれません。
月経に伴う疾患や、子宮・卵巣の主な病気には、次のようなものがあります。
●月経に伴う疾患
【月経困難症】
月経痛(腹痛、腰痛等)が強く、日常生活に支障をきたすもの。 子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因の場合もあります。
【PMS(月経前症候群)】
月経開始3~10日前から始まるさまざまな心身の不快症状で、 月経が始まると症状が軽快、消失します。 排卵後の女性ホルモンの状態に対して、体が大きく反応するために起こると考えられています。症状の悪化には、ストレスも影響しているようです。
【PMDD(月経前不快気分障害)】
特に心の不調が著しく、日常生活や社会生活に支障を来たしているような状態のこと。
PMSの諸症状のうちの「イライラ」や「気分の落ち込み」「不安」「怒りっぽくなる」といった精神症状が主体で強いならPMDDが疑われます。
PMS/PMDD自己チェック
⇒https://w-health.jp/self_check/self_check_08/
◇ まずは生活習慣の見直しから!
PMSをはじめとする婦人科系の不調は、日々の生活習慣や精神状態、社会環境の影響を受けやすいとされています。
①食習慣では、「朝食をきちんと食べる」「糖質や脂質をとり過ぎない」
②適度な運動も有効(有酸素運動やヨガなど)
③生活リズムを整え、しっかりと休息をとる
④ストレスをため込まないように、自分なりのリラックス方法を見つける
自分自身の生活習慣の見直し、取り組みやすいことから始めてはいかがでしょうか。
●子宮・卵巣の主な病気
【子宮筋腫】
子宮の壁(筋層)にできる良性の腫瘍で、悪性化はまれです。 症状は、過多月経、不正出血、貧血、頻尿、腰痛等。不妊の原因になることがあります。
【子宮内膜症】
子宮内膜に似た組織が子宮内腔(ないくう)以外の場所にできて、増殖、剥離を繰り返します。20代~40代の女性に多く、閉経すると症状はほぼなくなります。 症状は、強い月経痛、骨盤痛、性交痛、排便痛等。不妊の原因になることがあります。
【卵巣のう腫】
卵巣の中に液状の成分がたまってはれたものです。多くは良性です。症状は、一般的には、初期には自覚症状がありません。大きくなってきますと下腹の張り、 下腹部痛等があります。大きくなった卵巣がねじれを起こしますと、激しい腹痛が起きます。
◆婦人科・産婦人科の受診について
特定非営利活動法人日本医療政策機構の調査(働く女性の健康増進調査2018)によると、月経に関する異常症状やPMS(月経前症候群)がある場合でも「何もしていない」と答える人が最も多いです。必ず内診があるのではないか、大きな病気が見つかるのではないか、何となく恥ずかしい等、婦人科の受診に抵抗がある方も多いかもしれません。 しかし、月経の痛みや、不調を緩和できる薬の服用の相談、子宮や卵巣の病気の早期発見のためにも、早めの婦人科・産婦人科の受診をお勧めします。
【参考・引用元】
女性の健康推進室ヘルスケアラボ:
https://w-health.jp/introduction/lifestage/
働く女性の心とからだの応援サイト(厚生労働省):
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/introduction.html
【動画視聴】(健保連東京連合会) *2025年3月まで視聴可能
年代別・女性の健康課題と働き方:
月経の諸症状を改善するピルの効能と注意点:
女性特有のがんの予防と早期発見:
【女性の健康体験マンガ】(健保連東京連合会)
問い合わせ先:
ローソン健康保険組合 保健師 高橋裕未
03-5435-1960(代表)
o.kenpo.hokenshi@law001.lawson.co.jp