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保健師レター

[2022/07/04] 
喫煙をやめることができないのは何故?

こんにちは。

ローソン健康保険組合 保健師の香本です。

今年の夏の気温は、全国的に平年より高くなるようですね。

皆さま いかがお過ごしでしょうか。

2022年度の健康診断は、もう受診なさいましたか?

今回は、皆さまの生活習慣のなかでも、その習慣の有無により自分の、そして周りの人たちの健康を

蝕(むしば)んでいく喫煙について、お話をいたします。

 

 

◆たばこは、嗜好品なの?


 一般的に嗜好品とは、栄養素の摂取ではなく、嗜み好むものとされています。刺激性、催酔性、

芳香性を持ち、「茶」「コーヒー」「清涼飲料水」「穀類や芋を原料とする酒」「菓子類」「ガム」

「噛みタバコ」が該当し、食欲増進を目的とする香辛料等も嗜好品に含めることがあります。

 嗜好品を摂取する場合には、場所や時間を考慮するなど節度と品位を守りますが(お酒などは日中の

仕事中には摂取しませんよね)、たばこはいかがでしょうか。仕事を終えるまで我慢できない!

という人が多いかと思います。

 喫煙は、人が主体的にコントロールできる「嗜好」ではなく、ニコチンが主体の「嗜癖」という

行為といえます。
​​

 

◆脳の報酬系回路=リワードシステム


 ・「心地よい刺激」が起きた時に活性化し“幸福感”や”エクスタシー”を感じさせる神経回路のこと。

 ・脳は、心地よい刺激があると再度それを求める機能があります。麻薬など依存性の高いものの場合、

 快楽や快感といった短絡的な心地よさを知ってしまった脳は、再度それを求めようとして依存症を

 つくってしまいます。

 

◆そもそも ニコチンって何?


 ■化学物質としては毒物として指定されています(アルカロイドの一種で、神経毒性の強い猛毒です)

   毒物及び劇物取締法(昭和25年12月28日法律第303号)

   〔定義〕第二条 - この法律で「毒物」とは、別表第一に掲げるものであって、医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。

          (別表第一)19 ニコチン

 ■たばこの葉に含まれており、喫煙により煙から体内へ取り込まれます。

 ■強い血管収縮作用があるため、毛細血管を収縮させ血圧を上昇させます。

 ■中毒性があり、子どもが誤ってたばこの葉を食べたりすると中毒を起こし、死に至ることも

 あります。

 ■ニコチンそのものには発がん性は認められていませんが、ニコチンが分解・代謝されることにより

 発生するニトロソアミン類には発がん性物質が含まれていることが知られています。

 *ニトロソアミン類は様々な工業廃水に含まれるとされ、環境省による「水環境保全に向けた取組の

  ための要調査項目リスト」に指定されています。

 

◆ニコチンは「毒物」であり「依存性薬物」


 依存薬物の研究から、脳内のドーパミン増加量が多いほど、強い多幸感が得られることが判っています。

 また、薬物が急速に脳内に入り、急速にピークに達するほど、多幸感が強いことも判っています。

 

◆やめられない喫煙は、ニコチン依存症という「病気」です


  たばこを吸うと、約7秒でニコチンが脳に達します。

  初めてたばこを吸った時から「うまい!」と感じる人は…まぁ、いらっしゃらないかと思います。

 「気持ち悪い」という感覚が殆どかと思いますが、これは脳の自然な反応です。

 

  ところが、たばこを吸っているうちに「α4β2ニコチン性アセチルコリン受容体」と呼ばれる、

 通常だとアセチルコリンを受け取ることで活性化する受容体が、ニコチンを受け取ることで活性化

 するようになり、「多幸感」「満足感」「快感」を生み出すドーパミンの発生に繋がります。このとき

 喫煙者は「落ち着く」「ストレスが取れた」感覚を覚えますが、これがたばこを吸って「うまい」と

 感じる理由です。

            

       

  脳の報酬系回路により、喫煙を良いものと感じるようになった人は、更にニコチン摂取のサイクルに

 陥ります。非喫煙者の場合は”何かを達成したとき”や”美味しい食事をしたとき”に適量のドーパミンが

 放出され「満足や喜び」を得ることができていますが、喫煙者の場合は、ニコチンによるドーパミンの

 過剰放出により、喫煙以外の刺激では「満足や喜び」を得ることが困難な状況に陥っています。

  喫煙の常習により、普段の脳機能としては喜びや満足を得にくくなっていることから、メンタルヘルスの悪化、不安や気分の落ち込みといった症状を呈しやすくなります。

  *喫煙者が、食後にも関わらず何か足りない感覚に陥るのはドーパミンの不足によるものであり、

 食後の喫煙でドーパミンが供給されないと満足を得られなくなっているからです。

 

 

◆TDSニコチン依存度テスト(Tobacco Dependence Screener)


  二コチン依存症は、慢性疾患として定義されています。

  以下の テストで5点以上の場合は「ニコチン依存症」と診断されますので、禁煙するためのサポートを受けてみませんか?禁煙外来や禁煙プログラムへの参加が有効です。

 

 

◆どの方法なら禁煙できそうでしょうか


 

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 暑さ厳しい折、皆様のご健康をお祈り申し上げます。

 何卒 ご自愛くださいませ。  

                                                             

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